皮相電力、有効電力、無効電力について

2020/05/28 11:40



電気エネルギーについて理解することは、電気主任技術者の基本的なことです。
直流回路の場合は電圧と電流の積がそのまま電気エネルギー(電力)となります。
しかし、交流の場合は少し複雑で、すべてのエネルギーが負荷の素子によってエネルギーとして消費されるわけではないのです。


今回は交流回路の電力、皮相電力・有効電力・無効電力について説明します。


有効電力
とは、抵抗で消費されるエネルギーのことをいい、他のエネルギーとして使えます
無効電力とは、コイルやコンデンサでの電力で、エネルギーが放出や蓄積されるので消費されないものです。
皮相電力とは、有効電力と無効電力を合わせたすべての電力のことをいいます。
それぞれ記号で表すと皮相電力S[VA:ボルトアンペア]・有効電力P[W:ワット]・無効電力Q[var:バール]となります。


正弦波交流と位相の項で説明したとおり、コイルやコンデンサには位相差が発生します。
コイルではπ/2[rad](90°) 遅れコンデンサではπ/2[rad](90°)進みます。
電流が電圧に対して遅れる・進むという意味です。
これは下記の図のようにベクトルであわらすこともあります。


有効皮相無効電力-2048x1239.png 165 KB



ただし、この遅れ・進みは電流・電圧どちらを基準にするかで変わってきますので、注意してください。


電流の遅れ・進みがあるということは当然、有効電力と無効電力の間にも位相が発生します。
これを式で表すと下記になります。


S=VI[VA]


P=Scosθ=VIcosθ[W]


Q=Ssinθ=VIsinθ[var]


S2=P2+Q2


有効電力Pの式に含まれるcosθは力率といいます。
力率は回路全体の電力(皮相電力)のうち有効電力がどれだけあるかをあわらすものです。
電気設備では、この力率が良いほど電気が効率良く使われていると考えます。


試験対策としてはもちろん、設備のエネルギー効率はこの力率で測られるので実務に携わるときにも重要な理論です。
ここではまず、各電力の関係と式を理解し覚えておくようにしましょう。


 コメント(0)


コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。

ブログ一覧
ユーザーランキング
全て
1
イルカ PRO
電験二種
311

参考になった数


2
nasu PRO
電験2種、1種電気工事士、2級電気施工管理技士
159

参考になった数


3
摺り足の加藤 PRO
第一種電気主任技術者,フリーランス
132

参考になった数


4
電験サロン PRO
電験2・3種、TOEIC860、電気工事士1・2種、他多数
123

参考になった数


5
たな PRO
第二種電気工事士,第三種電気主任技術者(認定取得条件保有),電力会社10年弱勤務(水力発電所担当)
118

参考になった数


6
鐵獣 PRO
第三種主任技術者・エネルギー管理士・第二種電気工事士・工事担任者DD第三種・消防設備士(乙7)
91

参考になった数


7
おし PRO
第2種電気工事士 2級電気工事施工管理技士 2級管工事施工管理技士   
88

参考になった数


8
マン管 マー坊(三宅真光)
マンション管理士、マンション管理業務主任者、宅地建物取引士、敷金診断士、賃貸経営管理士
61

参考になった数


9
大橋 諒
第1種電気工事士、電気工事14年目
60

参考になった数


10
NobodyDid
電験一種、一陸技
58

参考になった数


【電気の神髄】電気工学を奥深くまで徹底追及するサイト